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【徹底解説】03- Performanceとはどんなチャンネル?読み方は?

最近youtubeを見ていると、普通の街なかに上からマイクが吊り下がっていて、そこでラッパーがパフォーマンスしている映像を見たことがありませんか?

↑ こんなやつです。ヒップホップを好きな人なら一度は見たことがありますよね。

「あれって何なんだろう? なんか動画もイケてるし、再生回数もすごい伸びてる……」

この記事はそんな疑問にこたえた記事です。

結論から言うと、あの動画は03- Performance」というチャンネルで、「オースリーパフォーマンス」と読みます

人気新世代ラッパーたちを発掘しまくっているこのチャンネル。

「誰か何のために運営しているチャンネルなの? なんであそこから次々とイケてる若手ラッパーが出てくるの?」

この記事ではそんな疑問に答えつつ、「そんなのもう知ってるよ」という方にも役立つように、深いところまで「03- Performance」について解説していこうと思います。

この記事でわかること

  • 03- Performance」とは何か?
  • 誰かどんな目的で運営しているのか?
  • 何であんなにイケてるパフォーマンスが撮れるのか? 他との違いはどこにあるのか?
  • 運営者のこれからの展望とは?

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誰が運営しているの?

youtubeチャンネル「03- Performance」を運営しているのはRommy Montana」(ロニーモンタナ)です。

同チャンネルの映像制作全般(企画、撮影、ディレクション、編集)まで基本すべてを1人で行っています。(たまに撮影時にアシスタントを1名つけることはあるそうです)

またRommy Montanaは「03- Performance」の運営だけではなく、ビートメイカーでもあり、さらに「INK FILM」(インクフィルム)というMV制作会社の代表でもあります。

INK FILM」では月に5、6本のMVを制作しているそうです。

「03- Performance」からバズったラッパーの代表格「Watson」のMVも担当していて、彼の「Pull」以降のMVはすべてINK FILMが制作しています。

基本的にチャンネルはRommy Montana1人で運営しているのですが、相談役として「03- Performance」でも人気のラッパー“Choppa Capone”や、MV制作会社「MOBY”D”KEIZO」の代表“Klooz”らが関わっているようです。

03- Performanceから人気が出たラッパーたち

チャンネルで起用した若手ラッパーが次々とブレイクしていったことでも知られる「03- Performance」。

ここではそんなラッパーの代表例を紹介したいと思います。

Watson

まずはなんといっても、今や人気No.1ラッパーとなった「Watson」でしょう。

2022年に入った時点でWatsonは若手注目株として、知る人には知られていました。

それでもあの“18K”のMVの再生数も、2022年3月時点で2万再生を超えた程度でした。

その後に「03- Performance」から出たのが有名なあの動画です。

この記事を書いている時点でもうすぐ600万再生に達するこのパフォーマンスで人気に火がつき、その後はみなさんご存知のWatsonとなりました。

WatsonとRommy Montanaはもともと03- Performanceを始める前からの知り合いで、きっかけはWatsonからインスタのDMで「MVを撮って欲しい」と依頼されたことでした。

そこからは毎月のようにMVの制作を依頼されていたようです。

そんな繋がりから「03- Performance」の一発目の動画にも↓Watsonを選んだそうです。

Bene Baby

現在「03- Performance」の動画でもっとも再生されているのが「Bene Baby」の“Real Life”です。

16歳からラップを始めた東京都練馬区生まれのBene Baby。

ちなみに彼も「03- Performance」を立ち上げる前からの知り合いだったそうです。

18歳になった彼は、2022年2月にこの動画がアップされたことで人生が一変しました。

キレイな声質をしており、メロディアスでメロウなフロウが特徴です。

このスムースで聞き心地のよいラップスタイルが多くの人から支持された要因でしょう。

Choppa Caponeをfeaturingした次のパフォーマンスも200万回を超える人気となりました。

炒炒

炒炒(チャオチャオ)も「03- Performance」に取り上げられたことで人気を大きく上げたラッパーでしょう。

和歌山県出身の20歳(2023年時点)という情報以外何もわからないミステリアスな存在の炒炒。

2023年1月にあげた「No Peanuts」は、素顔を隠している点とオートチューンをかけたハイトーンボイスという共通点から、ネット上で「炒炒」と「ピーナッツくん」が同一人物なのではないか?という噂が立ったことに対するアンサーを込めたタイトルの曲です。

ユーモアの効いた曲名とはうってかわって、サグい内容をスキルフルなラップで歌ったこの曲で人気を博した炒炒でしたが、この曲を発表後に青少年育成条例違反の罪で逮捕されてしまいました。

今後のキャリアをリスナーが心配する中、2023年8月に「Night Dream 」を発表。

過ちをおかした過去を振り返りつつも、この先の未来へ力強くすすむ決意を歌ったこの曲は大いにバズり、再生数は300万回を突破。

人気が落ちるどころか逆に上げるという大逆転を果たしました。

2024年の元旦にあげられたこの動画は、上記のメンバー+「Lunv Loyal」「Yvng Patra 」「JAKEN」という、このチャンネルで人気に火をつけたラッパーが集結した、まさに“03 Allstar Cypher”といったものでした。

Lunv Loyal」「JAKEN」についての解説記事はこちら↓

JAKENのプロフィール紹介!広島出身の次世代ラッパーが歌うリアルとは   【ラッパー紹介】Lunv Loyalのプロフィールとおすすめ曲を紹介

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 03- Performanceを立ち上げた理由

Rommy Montanaが「03- Performance」を立ち上げたのには、大きく分けて2つの理由があります。

日本のシーンを大きくしたい

1つ目の理由は、若手を中心にアングラなシーンを盛り上げて日本のヒップホップシーンを大きくしたいという事です。

Rommy Montanaは2012年に「チーフキーフ」を中心にしたシカゴドリルの世界を取り上げたドキュメンタリーを見たことからヒップホップに興味を持ち、それ以来USのヒップホップばかり聞き続けてきたそうです。

そんなUSのシーンを見つづけてきた彼からすると、日本には注目されていないけどヤバい若手がまだまだいるし、日本のシーンももっと大きく出来るとの思いがあるそうです。

すでに有名な「eyden」などを起用することもありますが、そういった理由からこれから伸びていく若手を取り上げているようです。

ビートメイカーとして認知されるため

2つ目の理由は、ビートメイカーとしての自分を知ってもらうという事です。

大学在学中にビートメイクとMVの映像制作を始めた彼ですが、大学卒業後は外資系の銀行に就職しました。

しかし、銀行勤務が肌に合わず、一年半で退職。

退職後はビートメイカーとして身を立てたいと考えていました。

ただいきなり仕事が来るわけもないので、まずは映像制作の方面で勝負しようと「03- Performance」を作ったのです。

多忙な中でも、曲を毎日最低2曲は作っているという彼。

ビートメイカーとしても活躍したいと考えている彼にとって、チャンネルを通じて様々なラッパーたちとのコネクションが出来ますし、自分のビートを使った曲をパフォーマンスで使ってもらうこともできます。

↑ 彼のビートを使った曲です。チャンネルを通じて自分のビートメイカーとしての才能を世間に広く伝えることができますね。

映像のクオリティへのこだわり

Rommy Montanaは取材などで、「03- Performance」のアイデアはUSの人気youtubeチャンネル“4 Shooters Only”を元にしている」と答えています。

「上からつり下がったマイク」「屋外の色んな場所でパフォーマンスする」という共通点がありますね。

ただ彼としては、“4 Shooters Only”の作品クオリティに関してはまだまだ改善の余地があると考えました。

それは主に「演出面」と「映像の質」2つの点に関してです。

演出面でのこだわり

まず、演出面でこだわっているのは、ロケーションの選定です。

4 Shooters Only”の動画をいくつか見るとわかるのですが、ただ自分の家の庭で撮ったり、人通りのない路地裏でクルー以外誰も映らないものが多いです。

「03- Performance」独自の魅力として、各ラッパーたちが普段自分が遊んでいる地元の場所だったり、後ろを一般の人が行き交う普通の街頭などでパフォーマンスをしているという点があります。

これによって各ラッパーの普段のライフスタイルが伝わりますし、パフォーマンスをしている非日常の後ろでそれとは関係のない日常が進んでいるという違和感からくる面白さが生まれます。

Rommy Montanaは普段から「どこかいいロケ地はないかな?」という目線で都内をウロウロしているそうです。

作品として良いものを撮るために、ロケーションに関してはかなりのこだわりがあるとのことです。

また、“パフォーマンス衣装をどうするか”や“後ろに映るクルーたちに目出し帽を被らせる”など、そういったレベルまでディレクションすることもあるそうです。

そこまでこだわる事で魅力的なパフォーマンス動画に仕上がっているのですね。

映像面のこだわり

映像の質に対してのこだわりも強く、シネマカメラを使用することで、映像の色味を日本にはないUSっぽいものにすることを意識しているようです。

「03- Performance」が最初に大きく跳ねたポイントは「eyden」に出てもらった回なのですが、その時に気合を入れてカメラを4Kの物から6Kのものに新調したそうです。

日中に撮影するときも光がいい感じで入る時間帯に撮影するなど、“画のカッコよさ”に対するこだわりは相当なよう。

基本は“撮る画角”や“後ろに人がいるいない”などを変えて4テイクほど撮ったものを編集して仕上げています。

出演者の選定基準

出演してもらうラッパーの選定基準はとにかく「カッコいいかどうか」。

それも単にラップがカッコいいだけでは駄目で、“顔や服装、立ち振る舞いやパフォーマンス”まで含めてカッコいいかどうかを大事にしています。

これからブレイクしたい若手の登竜門のようなチャンネルになったことで、数多くの逆オファーを受けることが多いそうですが、ほとんど断っているそうです。

知名度に関しては、「eyden」のようなすでに有名な人もたまに起用しつつも、基本的にはこれからの若手を使いたいという方針も一貫しています。

今後の展望

「03- Performance」の今後の展望として大きなものだと、チャンネルのUSへの進出です。

USのラッパーを起用し、現地でロケをして“「03- Performance」US版”のようなものを作りたいそう。

と、この記事を書いている最中に、まさかの本家“4 Shooters Only”がこの動画をアップ。

取り上げられた要因としては、2024年から本格的に世界進出をする「Awich」の存在が大きいのでしょうが、「03- Performance」もUSに進出することで、本場USと日本のヒップホップの交流が増えることを期待したいですね。

まとめ

ここまで「03- Performance」についての解説をしてきました。

間違いなく最近のヒップホップシーンの盛り上がりにおいて、大きな役割をになっていたこのチャンネル。

今後どんな若手がこのチャンネルから発掘されるか楽しみです。

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