和歌山出身の若手ラッパー“MIKADO”。
TOFU、7、炒炒など先に注目された和歌山勢をしのぐほどの勢いで、一気にシーンの注目株として台頭しているラッパーです。
壮絶なバックボーン、中毒性のある声、キャッチーなフレーズセンスが光る歌詞など様々な魅力をかねそなえたMIKADO。
この記事では、そんなラッパーMIKADOについて紹介します。
目次
MIKADOのプロフィール
アーティスト名 | MIKADO |
生年月日(年齢) | 2001年9月30日生まれ(23歳) |
出身地 | 和歌山県和歌山市築港 |
所属レーベル | - |
出身地
MIAKDOの出身地は、和歌山県和歌山市にある築港(一丁目)という港町です。
JR和歌山駅からも歩いていけるほどの距離にある地区ですが、MIKADOいわく「景色が綺麗だけど遊ぶところは無い」というのどかな場所です。
2024年春にTOFUや7ら和歌山の仲間と共に神奈川県川崎市に移住し、これからは関東を拠点に活動していくとしています。
家族構成
曲でも語られているMIKADOの壮絶なバックボーン。
今もママは裁判中 パパはあいつを銃殺 兄貴は未だに失踪中
「SLATT!!」より
MIKADOの家族は、両親と兄1人の4人家族です。
ヤクザだった父親は1人を銃殺し服役。13年の刑を終え出所したあとに何者かに撃たれて亡くなりました。
母親は父が亡くなったとき「交通事故にあった」と嘘で隠していましたが、違和感を抱いたMIKADOがネットで検索したことで、“父親が何者でなぜ死んだのか”という真相がわかったそうです。
片親となった母親は働き通しで家計を支えましたが、のちに“覚醒剤取締法”で捕まり服役。2023年になって出所しました。
薬物の売人だった兄は失踪し、いまだに連絡は無いようです。(MIKADOも売人をしていた過去があります。)
こんな厳しい家庭環境を持つMIKADOを支えたのは祖母で、子供時代は祖母と2人でずっと過ごしました。
MIKADOは「おばあちゃんから受けた愛とラップが無かったら、人生良くないほうに行ってた」とふりかえっています。
しかしそんな過酷な生い立ちにも関わらず、MIKADOは
恨んだことないよ家庭環境 ありがとうFamily
「Katagi」より
と歌い、あくまで「それほど気にしていない」と語っています。
交友関係
ここ数年注目が集まっている和歌山のシーン。
プロデューサー/ビートメイカーのHomunculu$を中心にしたコミュニティから数々の才能のある若手ラッパーが台頭していて、MIKADOもそんな一人です。
Homunculu$
和歌山出身の“Homunculu$(ホムンクルス)”。
drillビートの名手として知られるプロデューサーで、MIKADOら和歌山の若手ラッパー達の兄貴的存在です。
これまでに和歌山勢だけではなく、“Jin Dogg” や“Young zetton”、“Watson”ら数多くのラッパーの作品をプロデュース。
彼のスタジオを介して若手ラッパー達が出会い、現在のシーンを築いてきました。
ひと足先に関東に拠点を移し、2024年から川崎に移住してきたMIKADO、TOFU、7らと共にこれからも深く連携していくそうです。
TOFU
数々の作品を共に作ってきたMIKADOの“盟友”的存在がラッパーの“TOFU(トーフ)”です。
ふたりの出会いはMIKADOが初めてHomunculu$のスタジオに行った際にTOFUもいて、その場でそのまま一緒にレコーディングをしたというものでした。
会うたびに1曲作ってきたというMIKADOのことをTOFUは、「お互いライバルでもあるし仲間でもある 競い合って上手くなっていってる兄弟」 だと語っています。
現在は自然消滅したようですが、かつてMIKADOはHomunculu$とTOFUと共に“Green Ice”というクルーを組んでいました。
7
2023年に一気に台頭してきた女性ラッパーの“7(ナナ)”もMIKADOと関係の深い和歌山勢のひとりです。
数々の楽曲でも共演しているMIKADOのことを7は、「色々なアドバイスをくれる師匠のような存在」だと語っています。
7との出会いもHomunculu$のスタジオで、「7は最初から普通に上手かった」とふり返っています。
炒炒
共にHomunculu$のスタジオで録っている縁でつながった和歌山県白浜市出身のラッパー“炒炒(チャオチャオ)”。
上記した3人ほどMIKADOとの繋がりは深くありませんが、7らと共に「BLACK BOX」というスタジオに集う仲間でもあり、ライブでもよく一緒になっています。
「BLACK BOX」=和歌山市紀三井寺にあるバー兼レコーディングスタジオ。和歌山の若手ラッパーが使うスタジオ兼たまり場。
これまでに出した作品
リリース年 | 名義 | 作品名 |
---|---|---|
2020 | 1st EP | 「Born this way」 |
2021 | 1st アルバム | 「GOAT」 |
2022 | 2nd アルバム | 「SpiderEye」 |
2022 | 2nd EP | 「帝」 |
2023 | MIKADO & 18stop | 「PLAY PURE 3」 |
2024 | TOFU & MIKADO | 「New Vintage」 |
2024 | MIX TAPE | 「Re:Born Tape」 |
非常にリリースペースが早いMIKADOは、これまでに多数のソロとしての作品や、“TOFU”や“18stop”と共作しての作品を出しています。
また、次の作品として全曲Homunculu$がプロデュースを手がけたアルバムをリリースする予定があるようです。
これまでの経歴
MIKADOの経歴をざっくりと年代別に表にまとめると以下のとおりです。
2001年 | 和歌山県和歌山市築港にて生まれる |
小学生時代 | 地元の友達にヒップホップを教わる |
16歳 | 初めて楽曲を制作しSoundCloudに上げ始める |
2020年 | 1st EP「Born this way」リリース |
2024年 | Red Bull「 RASEN」に出演 |
2024年 | 地元から川崎市へ移住 |
ラップを始めたきっかけ
MIKADOが初めてヒップホップに出会ったのは、小学生の頃でした。
地元築港の友達にいきなりフリースタイルを仕掛けられ、そこで「ラップ」というものがあることを知ったそうです。
その後友達から教わるがままYouTubeなどで様々な楽曲を聞き、しだいにのめり込むように。
ラップの「なんでも言っていいんや」という点が好きになったと語っています。
中でも自分で曲を作ってみたいと思うほど深く刺さったのが、“Kohh(現・千葉雄喜)”が参加した世界的ヒット曲「It G Ma」でした。
初めて楽曲をつくったのは16歳のときで、iPhoneで録音したものをSoundCloud上にあげ始めます。
それをHomunculu$が見つけて声をかけ、本格的に楽曲制作をはじめました。
数々の作品をリリース
2020年の1st EP「Born this way」をリリースして以降、ハイペースで作品を発表していきます。
トラップメタルのスタイルに挑戦したり、曲の中でシャウトを多用したりと、現在とは異なるさまざまなスタイルの曲をリリースしていきました。
「ラップスタア2024」へ参加
さまざまな活動でヘッズからのプロップスを上げていくなか、動画配信サービス“ABEMA”の人気ラッパーオーディション番組「ラップスタア2024」に出演。
動画審査を通過し2次審査である“SELECTION CYPHER”に挑むも、惜しくも敗退。
結果敗退はしましたが、審査員はビートアプローチや「言った!!」などガヤの面白さを評価。
視聴者からの反響も大きかったということで、敗退後には別に密着ドキュメンタリーも制作されるなど、知名度を大きく上げる結果となりました。
Red Bull「 RASEN」に出演
2024年6月には、「オレのことはやく出せよRASEN」と曲中のリリックに入れるほど待望していた“Red Bull「 RASEN」”に参加。
関係性のある周りのメンバーたちと共に強烈なインパクトを残し、飛躍する2024年の勢いをさらに加速させる事になりました。
人気曲・おすすめ曲
言った!! Remix feat.7,Kohjiya
「言った!!」という地元の仲間内で使っていたスラングをテーマにした楽曲“言った”のRemixバージョン。
「言った!!」とは「おっ!出たな」とか「ヤバい!」みたいなポジティブな意味で使うスラングだそうです。
7とラップスタア2024を獲ったばかりのKohjiyaを客演に迎え、オリジナルの楽曲からさらにパワーアップ。
MIKADOの新たな代表曲「言った!!」のオリジナルバージョンも一緒にチェックして欲しい。
百鬼夜行 feat. Yokai Jaki
1stアルバム「GOAT」収録曲。
Homunculu$の主張の強いビートが印象的なトラップメタルの1曲。
現在とは異なるMIKADOのシャウトまじりのスタイル。
世界観が堪能できるMVも楽しい1曲です。
Katagi
1st EP「Born this ways」収録曲。
過酷な自身の生い立ちを語りつつ、そこから成り上がるという決意が込められた1曲。
Kohhのラインをサンプリングした歌詞だけでなく、ラップのスタイルもKohhからの影響が強いことが伺えるさまが印象的です。
Amiri Star
TOFUとの作品「「New Vintage」に収録。
毎晩夜通し制作に明け暮れる彼ら2人の思いがつづられた歌詞がグッとくる1曲。
「03- Performance」制作のパフォーマンスビデオのきらびやかな演出も非常に印象的です。
まとめ
この記事ではラッパーのMIKADOについて紹介しました。
和歌山勢の中では注目されるのが遅くなりましたが、2024年以降の急速な勢いにはこれからの飛躍を大いに期待させるものがありますね。
これからも楽しみに活躍を見届けたいと思います!