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9門の元ネタとは?「警視庁麻薬取締課MOGURA」の見どころ紹介

記事の内容

  • 9門のモデルとなったMSCについて
  • MOGURAの見どころ
  • 次に見てほしいヒップホップ作品

配信サービスAbema制作のドラマ、「警視庁麻薬取締課MOGURA」。

視聴者からの大反響を受けた結果、Netflixでも配信が決定。多くの人に見られる大ヒットを飛ばしました。

誰が見ても楽しめるスリリングなドラマではありましたが、より熱狂したのはヒップホップ好きの視聴者でした。

ヒップホップ好きにしか分からないネタが満載だったからです。

なかでもヒップホップ好きがもっとも沸いたのが、主人公が潜入したヒップホップグループ「9門」が明らかに「MSC」という実在するグループをモデルにしているという点でした。

9門とMSCのどこがそれほど似ているのか?

この記事はそこの解説をメインに、このドラマの見どころなんかも紹介していきます。

また、「他にMOGURAのようなヒップホップをテーマにした面白い作品はないの?」と思っている方のために、超絶おすすめ作品を1つ紹介しますので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。

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「警視庁麻薬取締課MOGURA」とは?

このドラマのストーリーの骨格は、企画・プロデュースをつとめる“鈴木おさむ”がラッパーの漢 a.k.a. GAMIから聞いた実話が元になっています。

漢 a.k.a. GAMIは“原案”としてクレジットされています。

警察官の中からラップが上手いメンバーを選抜して、ラッパーたちの間に潜り込ませていた

ドラマはこの部分だけをストーリーのベースとして採用し、その他の要素や展開は基本フィクションです。

元ネタとなった実話の詳細は明かされていません。

9門のモデルとなったMSCとは?

9門の「リアルしか歌わない」「リリックで言ったことは絶対に実行する」というルール。

これはMSC(エム・エス・シー)という、ドラマの原案者でもある“漢 a.k.a. GAMI”が所属するヒップホップグループがモデルであるとされています。

9門という名前も、漢 a.k.a. GAMIが代表をつとめていた「鎖(9SARI)グループ」をかけて付けたのでしょう。

9SARIグループ=西早稲田にあるスタジオ兼事務所。カフェスペースもあり、一般の人も遊びに行くことが出来ます。

MSCとは

  • 2000年に漢(現・漢 a.k.a. GAMI)、TABOO1、GO、PRIMAL、O2の5人でMS CRU(エム・エス・クルー)名義で結成し、新宿を拠点に活動したヒップホップグループ。
  • 2003年に現在のMSCに改名。同年に出した1stフルアルバム「MATADOR」は、“日本初の本格的なギャングスタ・ラップ”との評価を受けるなど、2000年代のシーンで大きな活躍したグループです。

そんなMSCが課したルールは以下のようなものでした。

  • ラップは「リアル」でなければならない。
  • 事実と違うことをラップしてはいけない。
  • 勢い余ってリアルではないことを言ってしまっても、1週間以内に実行できればOK

まさに9門のルールそのものですよね。9門の場合は、実行する期限が3日とより厳しいという違いはありますが。

それくらい自らが発する言葉には責任を持たなければいけない、という厳しい掟です。

恐ろしいのが3つ目の項目。このルールを守ろうとして、MSCのメンバーが敵対するグループのメンバーをナイフで刺すという有名な事件も起こりました。

漢 a.k.a. GAMIの著書「ヒップホップ・ドリーム」に詳細が語られているのですが、簡単にあらましを説明すると

  • クラブイベント中にMSCのメンバーのDJ機材を、とあるグループのリーダーが酒をこぼして壊した。
  • 相手側は弁償すると申し出たが、何日経っても何かと言い訳を言って弁償しなかった。
  • MCバトルでMSCのPRIMALがトラブル相手と対戦し、バトル中に熱くなって「今度見かけたら刺すからな!」と発言してしまう。
  • ルールを守るため、MSCのメンバー複数人で相手グループを襲撃。逃げ遅れた相手グループのメンバーのケツを刺した。

襲撃場所となったのは、今は閉店してしまった「池袋BED(ベッド)」という、当時のHIP HOPカルチャーの中心地となっていたクラブ前の路上でした。

襲撃現場となった路上。写真中央にあるグラフィティが描かれたシャッターの奥が池袋BEDの入り口です(クラブは地下1階)。

「ヒップホップ・ドリーム」内では具体的な名前は書かれていないのですが、相手のグループは“RUFF RHYMERS(ラフライマーズ)”だと特定されています。

機材を壊したのもMCバトルでPRIMALと対戦したのも、RUFF RHYMERSのリーダーである“KENSHIN(ケンシン)”でした。

KENSHIN(ケンシン)は「B-Boy Park MC Battle」で、99年2位、00年3位、01年3位となったMCバトル黎明期に有名だったラッパーでもあります。YouTubeにKREVAや般若との試合の映像が残っていますので、興味がある方はチェックしてみて下さい。

襲撃したのは、RUFF RHYMERSがライブを終え出てきたところでした。刺されたのはKENSHIN以外のメンバーだったので、そのメンバーはとんだとばっちりを受けたという事ですね。

ドラマの第2話で9門も過去にまったく同じ事件を起こしたとありました。9門がMSCをモデルにしているのは間違いないでしょう。

「MORURA」の見どころ・こだわり

「警視庁麻薬取締課MOGURA」が目指したのは、ただ面白いだけではなく、本物の「ヒップホップ」を描いたドラマにすることでした。

「ヒップホップ」を題材としたフィクションは、一歩間違えればダサくなる難しさが伴います。

それを避けるために制作陣がこだわったポイントがいくつもありました。

  • ヒップホップのMVを制作している人が監督をつとめる
  • 自分がするラップはすべてラッパー自らが歌詞を書く
  • ラッパー本人のリアルから大きく離れないような設定にする

ヒップホップのMVを撮っている人が監督を担当

このドラマは志真健太郎と南虎我という2人の監督が、全6話のうち3話ずつ担当して制作されました。

2人に共通しているのは、多くのラッパーのMVを手がけてきたという点。もともとヘッズでヒップホップというものへの理解があるという点でした。

志真健太郎監督は映画やドラマも撮りながら、般若やGADOROの多くの楽曲のMVを撮ってきた監督です。

一方の南虎我はアーティストのMVをメインに撮ってきた映像監督で、これまでに数々の有名なラッパーのMVを手がけてきた人物です。

ヒップホップへの理解があって、これまでにラッパーと仕事をしてきた監督が撮っている。

この点がダサくならずにヒップホップの世界を描けている理由のひとつです。

志真健太郎監督は少年の頃から般若やキングギドラが好きなヒップホップヘッズでした。ドラマ内に出てくる伊弉諾の息子と友達のヒップホップ好き少年2人組には、監督の子供の頃の実体験が反映されているそうです。

自分がするラップはラッパー自らが歌詞を書いている

ドラマ内で出てくるラップのシーン。

これらは全て演じるラッパーが自らの歌詞を書いています

もちろんビートに合わせてどういうフロウ(歌い回し)にするのかもラッパーが自らが決めています。

  • 1話で伊弉諾がクラブのステージでしたラップ
  • フリースタイルバトルのシーンで各々がしたラップ
  • Mummy-D演じるカタビラが物語を語るラップ

これらドラマ内で出てくるものは全て、ラッパー本人が作った歌詞でラップをしています。

ラップのことは本職のラッパーにすべて任せる

これもリアルなヒップホップを表現するために採られた手法です。

ラッパー本人のリアルから離れない設定にする

「当て書きしてんな」。般若は初めて脚本を見たときに、こう感じたそうです。

それぐらいラッパーが演じるそれぞれの役の設定が、ラッパー本人とかぶる点が多かったからでした。

Haruの設定がCYBER RUI本人そのままだったのはその最たるもので、他のラッパーたちも本人の要素を折り込んだ設定になっていますよね。

フィクションとはいえ、本物のラッパーが架空のラッパーを演じる。

想像以上にむずかしく、変な演技をした時にはダサく写ってしまいます。

それを避けるためもあって、かけ離れた設定にはせず、本人のリアルを上手く入れ込んでキャラクターを作り上げました。

ドラマのロケ地となった場所は?

ドラマの主な舞台のひとつ、クラブ「PATIOS(パティオス)」。焼川市にあるクラブで、9門とライバルグループREDHEADが定期的にライブをしている場所です。

そんな「クラブパティオス」でのシーンは、実在するクラブを借りて撮影されています。

そのクラブとは、茨城県古河市にあるクラブ「ARADDIN(アラジン)です。

北関東最大級のキャパシティをほこる2フロアで最大500名を収容するクラブで、ドラマに出演しているJIn DogやRed Eyeもライブを行ったことがある場所です。

おすすめのヒップホップ作品

MOGURAを見終わってしまって、「何か他に面白いヒップホップをテーマにした作品はないの?」と探している方もいると思います。

そんな方に猛プッシュしたい作品が1つあります。それも2025年の今、リアルタイムで進行している作品の中に。

MOGURAのような映像作品(ドラマや映画)がお望みかもしれませんが、実はその作品はマンガです。

「なんだマンガかよ」と思っても、もう少しだけつき合ってください。せめて作品名だけでも覚えておいて欲しいです。

筆者は長年ヒップホップを題材にしたドラマや映画、ドキュメンタリー作品は欠かさずチェックするようにしています。ただ、そういった過去のすべての映像作品を凌駕する大傑作が、「マンガ」というジャンルで生まれてしまいました。

週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の作品、「スーパースターを唄って。」 

「このマンガがすごい! 2025」にランクインするなど、読んだ人はみんな熱狂的に支持していますが、まだまだ“知る人ぞ知る”という作品です。

MOGURAと絡めて紹介すると、ドラマに出演したRedEyeやJin Doggが生きてきたような「大阪のストリート」からラッパーとしてのし上がるまでのストーリーです。

マンガの主人公が生きている世界は、2人よりもさらに過酷な“地の底を這うような”場所ですが……

ヒップホップファンが読めば気づくであろう「実在のモデル」が散りばめられている点も、共通していますね。

「あのヒップホップフェスがモデルだな」「このキャラクターあの音楽ライターがモデルじゃん」など、現実のヒップホップシーンとリンクして読むことができます。

1巻だけ無料で読めたりするんで、とりあえず1巻だけでも読んでください。

自分は1巻を読み終わってあまりにも興奮してしまい、そのまま勢いだけで記事を書いてしまうほど熱狂しました。

4巻まで出た時点でこの記事を書いていますが、熱が冷めるどころかさらに上がっていっています。

この作品がこの先どう展開していくのか、本当に楽しみで仕方がありません!

お得にマンガを読みたい方には、電子書籍をおすすめします。うまく利用すれば、全巻を半額以下で読むことも可能です。

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まとめ

この記事では、ドラマ「警視庁麻薬取締課MOGURA」について解説しました。

このドラマがきっかけとなって、もっとこういったヒップホップを題材にした面白い作品が増えることを期待したいですね!

他にもさまざまなヒップホップに関しての記事を書いているので、気になるものからチェックしてくれたら嬉しいです。

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