男どもを黙らせる強気でセクシーな楽曲が人気の女性ラッパーMaRI(マリ)。
「ケツを振る」刺激的なパフォーマンスで観客を魅了する一方、シングルマザーとして息子を育てる「カッコいいお母さん」として女性からの支持も集めています。
今や大型フェスに引っぱりだこの人気ラッパーになりましたが、過去にはイジメや貧困、最愛の母の死という「ずっとしんどかった」人生を乗りこえてここまで来ました。
この記事ではそんなラッパーMaRIのプロフィールや特徴、これまでの詳しい経歴に人気曲まで徹底解説していきます。
MaRIについて深く知りたい方はぜひチェックしてみて下さい!
目次
MaRIとは?
アーティスト名(読み方) | MaRI(マリ) |
本名 | 非公表 |
年齢(生年月日) | 26歳(1998年10月29日生まれ) |
出身地 | 岐阜県美濃加茂市 |
所属レーベル | RHYME RICH |
MaRI(マリ)はブラジルにルーツを持つ岐阜県出身の女性ラッパーです。
2021年にリリースされた”BUM BUM”がヒットし、一気にスターダムへ。
多くのシーンを代表するアーティストから客演で呼ばれ、とくに2023年リリースの「Bad B*tch 美学 Remix」で爆発的に知名度を上げました。
現在はラッパーのJAZEE MINORが代表をつとめるレーベル「RHYME RICH」に所属し、楽曲制作やライブで精力的に活動。
その唯一無二の個性を武器に、今やシーンに欠かせないラッパーのひとりに成長しました。
出身地
MaRIが1歳半の頃から今も住み続けているのが、岐阜県美濃加茂市(みのかもし)です。
美濃加茂市は岐阜県の南部にある街で、木曽川が流れ森や山もある自然豊かなところです。
MaRIも「なんもないけど自然がめっちゃ綺麗なところと人が温かいところ」が好きで、現在も住み続けています。
隣町の可児市に県下最大の工業団地があり、美濃加茂市にも工場などで働く多くの日系ブラジル人が住んでいます。
名古屋まで車で45分とアクセスもよく、MaRIは10代の頃から名古屋のクラブまで遊びに行っていました。
2024年には美濃加茂市の観光大使にも就任しました。
音楽スタイル
男どもをねじ伏せていくような、強気でセクシーな楽曲がMaRIの醍醐味です。
多言語まじりの刺激的なリリックに、スムースでリズミカルなフロウでラップ。
ケツを振るステージパフォーマンスでもおなじみで、どんなライブ会場でも観客を盛り上げています。
ラップを始めたきっかけ
MaRIがラップを始めたのは17歳の頃。
毎日のように遊んでいた親友2人が先にラップをやっていた影響で始めました。
他にも周りにラップをやっている友達が多く、ごく自然な流れで始めました。
「日本にケツを振るようなぶっ飛んだフィメールまだいないし、やればいけるんじゃね?」という勝算もあったそうです。
シングルマザー
19歳で男の子を出産したシングルマザーのMaRI。
18歳で妊娠した際に相手とは別れているので、結婚はしていません。
養育費は1円も貰わずに、自分の稼ぎだけで育ててきました。
楽曲では息子を育てる母親としてのリアルな生活も赤裸々に歌っています。
同じ境遇でがんばっているシングルマザーを勇気づけるメッセージも、MaRIがファンを惹きつけている魅力のひとつです。
シングルマザーでも自分の夢を叶えられることを伝えていきたいそうです。
息子のレン君には自分のラッパーとしての姿も見せていて、友達にも自慢の「カッコいいママ」として見ているみたいです。
BAD BITCH
首にタトゥーとして入れた「BAD BITCH」というワード。
このMaRIを象徴する言葉には
- 良い女
- イケてる女
- 強い女
という意味を込めているそうです。
好きな音楽
もともとヒップホップヘッズで、15、6歳の頃からクラブに遊びに行って「ケツを振ってた」というMaRI。
ヒップホップが好きになったのは、小学生の頃です。
MaRIは小学生の頃、母親が日中働きに出るために同じアパートの従兄弟の家に預けられていました。
その従兄弟がブレイクダンスをしていて、駅前などで練習している様子をMaRIは隣りでずっと見ていました。
その時に流していたヒップホップを好きになって、自分でも掘って聴くようになっていきました。
現在そんなヒップホップより聴いているというほど好きなのが、R&Bです。
他にも、お母さんの影響でブラジルの音楽も好きになり、特に“Sertanejo(セルタネージョ)”というジャンルの音楽をよく聴いていました。
セルタネージョ=男性デュオで歌われることが多いカントリーミュージックの一種。ブラジルで最も聴かれている音楽ジャンルで、人気曲は数億回再生もされています。
仲のいいラッパー
¥ellow Bucks
MaRIがラップを始める前からの知り合いが“¥ellow Bucks”です。
MaRIが「ラップをやりたい」と話していたのも聞いていて、始めたばかりの初期の楽曲も聴かせてもらっていたそうです。
「同郷の岐阜から勢いのあるフィメールが出てきてスゲー嬉しい」とMaRIの成功を喜んでいます。
息子のレオ君が1番好きなアーティストも¥ellow Bucksだそうです。
Playsson
ブラジル生まれのバイリンガルラッパー“Playsson(プレイソン)”もMaRIがラップを始める前からの友達です。
MaRIが16歳の頃に仲良くなり、ラッパーになってどんどん駆け上がっていく様子も見続けてきました。
2019年には一緒の曲もリリースしています。
地元行きつけの店
MaRIが地元で1番好きな行きつけの店が、隣町の可児市にあるダイニングバー「GREEDY HOUSE」。
ラッパーでもあるWAMUお手製の料理も食べられるお店で、MaRIはラップを始める前から通っていました。
ラップを始めてからも、ラッパーとしての相談事や嬉しい報告などをWAMUに逐一していました。
WAMUは売れる前から「お前は絶対いける!」「そのままで行けば売れるから大丈夫」と言い続けてくれたそうです。
MaRIの経歴

ブラジルで生まれ、1歳半で来日
MaRIは1998年10月29日にブラジルのサンパウロ州にあるサント・アナスタシオという街で産まれました。
母親がブラジルと日本のハーフ、父親がブラジルとイタリアのハーフという両親。
両親は結婚しておらず、MaRIが生まれる前にすでに別れていました。
シングルマザーとなった母親は、MaRIが1歳半のときに来日。
以降、岐阜県の美濃加茂市にある市営住宅で暮らすことになりました。
貧しい生活と学校でのいじめ
「ラッパーとして売れるまでの人生、ずっと貧乏だった」というMaRI。
小中学校時代は、ランドセル、制服、体操着など学校の物は全部おさがりでした。
住んだ市営住宅も壁がカビだらけになっているような、古くボロボロの家でした。
ラッパーで稼げるようになってから、キレイな家に引っ越しました。
学校では見た目が周りと違うことを理由にイジメを受け、それは中学に入っても続きました。
子供の頃のしんどかった事は、今は「何も思い出さない」そうです。思い出したくないくらい大変な生活だったとのこと。
高校中退
中学に入ってからは不登校気味になり、給食だけ違う部屋で食べた後は帰るようになります。
MaRIはしだいにグレていき、他校の不良の先輩たちと付き合うようになっていきました。
「グレれば友達が出来るんじゃないか」との思いもあったそうです。
それでもなんとか高校には合格しますが、その高校も1年の時に辞めてしまいました。
「勉強も意味わかんないし、学校もつまらないし。それなら、お母さんを助けるためにお金稼いだほうが良い」と思ったそうです。
その頃からキックボクシングも始め、週3日の練習を子供が生まれる直前まで4年ほど続けました。
本気でキックボクサーを目指していたそうです。MaRIは9年間バスケもやっていたスポーツ少女でもありました。
働きづめの生活へ
高校を辞めてからは掛け持ちで昼夜働くようになります。
昼間のバイトが終わると、夜はクロネコヤマトの仕分けに行ったり、パチンコ台製造工場などで働きました。
「こんな生活イヤだ」という思いと共に、母親が乳ガンになり病院代も必要になったMaRIは、キャバ嬢として働くことにします。
ラップも始めたので、ラッパーとしての活動費(MV代)も稼ぐ必要がありました。
キャバ嬢時代のことも曲で歌っています↓
おっちゃん騙して稼いだmoney ごめんでも夢叶えるため
Ima Bad Bitchより引用
母親の死
2020年、MaRIは21歳の時に母親を亡くしました。
周りが反対しても、母親だけは最後までMaRIの音楽活動を応援してくれていました。
それでも亡くなった直後は、「これからどうしよう、音楽も辞めようか」と思ったそうです。
最終的には「唯一こんだけ続けられたことだから、好きなことだから続けよう」と決意。

首に入れた「BAD BITCH」のタトゥーは、母親を亡くしたタイミングで音楽を続けるか迷った時に、「自分はラップで生きていく」という覚悟を示すために入れました。
このタトゥーを入れた後に調子が上向き、2021年にリリースした“BUM BUM”がヒットして世に出ることができました。
2025年リリースのAK-69の楽曲「Dear Mama (feat. MaRI & Daiki Blunt)」では、死から4年半たった後のMaRIの母親への思いが歌われています。
ブレイク
2020年3月リリースの1st シングル「LIL DICK」を皮切りに、2nd シングル「Ima Bad Bitch」とリリースを開始。
そして、2021年7月にリリースした3rd シングル「BUM BUM」がスマッシュヒット。
MaRIの真骨頂である「ケツ振り」をテーマにしたこの1曲で、MaRIの名前は一気に広がっていきました。
ポルトガル語混じりのリリックや刺激的なMVも話題となり、シーン注目のラッパーとなったMaRI。
客演のオファーも殺到し、多くのヒット曲に参加していきました。
そしてMaRIの知名度を爆発的に高めたのが、あこがれのAwichから誘われて参加した「Bad B*tch 美学 Remix」でした。
まさにMaRIの為にあるようなこの楽曲で、誰もが知る人気ラッパーとなったMaRI。
ヘッズ時代から憧れていた数々のラッパーとの共演も次々と叶えていきました。
今後の活動
「今が本当に幸せ」だというMaRI。
「ずっとしんどかった」これまでのお金の無い人生。
今では息子や自分の欲しい物も買ってあげられるし、楽しいところに連れていってあげることも出来る。
そんなお金を今は好きなことをして稼ぐことが出来ている。
自分と似たような境遇で頑張っているファンに勇気を与えていきたい。
これからもラッパーとして前向きなメッセージを発信し、シーンに欠かせない人物として活躍していくのでしょう。
人気曲・おすすめ曲
BUM BUM
MaRIを一躍スターダムに押し上げた、2021年リリースの3rd シングル。
この1曲からすべてが始まりました。
「日本にケツを振るようなぶっ飛んだフィメールまだいないし、やればいけるんじゃね?」というラップを始める時にあった勝算がみごとに当たりました。
吸って feat. MonyHorse
意味深なワードが並ぶリリックと、「吸って吸って吸って 振って振って振って」のフックが中毒性のある1曲。
独自の世界観あふれるMVも楽しい楽曲です。
LIL DICK
2020年リリースの2nd シングル曲。
男が耳を塞ぎたくなるようなMaRI節全開のリリックが聴きどころ。
強気に男どもを跳ねのけるMaRIのキャラクター像を確立した1曲です。
不良外国人 feat. MIYACHI, AKLO
MaRIと同じくミックスルーツを持つMIYACHIとAKLOを客演に。
思わず首を振ってしまう90'sフレーバーのブーンバップビートに、三者三様のフロウが心地いい1曲です。
最前列で見ていたヘッズ時代あこがれのラッパーAKLOとの共演も熱いですね。
マジイキそう
JAZEE MINOR「マジ死にそう feat.AKLO」を聞いて、そのカッコ良さに「自分もリミックスしたい」とJAZEE MINORにお願いして出来た楽曲。
“マジ死にそう”→“マジイキそう”とMaRI流にアレンジ。
1バース目はラッパーとして成り上がって“いく”、2バース目は性的な意味の“いく”と、2つの“いく”について歌った楽曲です。
まとめ
この記事ではラッパーMaRIについて紹介しました。
強気でイケイケのパフォーマンスの裏側にある、壮絶なバックボーンと良いお母さんとしての姿が印象的でしたね。
これからも唯一無二の個性を武器に、多くのファンを勇気づけていって欲しいですね。
他にもラッパーに関するいろんな記事を書いているので、興味のあるものからチェックしてみて下さい!