この記事では2025年の最新ヒップホップファッションについて、日本の人気ラッパー達の30以上の具体的なコーデを見ながら解説していきます。
全体をざっくり解説しても傾向がつかみにくいと思うので、定番アイテムごとに焦点を当てて解説します。
また、「自分も最新ヒップホップファッションをしてみたい!」という方に向けてアイテムごとのおすすめブランドも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
紹介するブランドは、全国各地にあるラッパーやヒップホップヘッズたちが通う人気セレクトショップが扱っているブランドばかりです。
しっかりとした物づくりをしながらも、手に取りやすい価格で提供しているブランドに絞りました。
夏と冬は着こなしや使うアイテムが変わってくるので、この記事は主に春や秋にするファッションを中心に解説しています。
「夏」と「冬」は別記事にて解説します。
目次
ラッパーのファッションの特徴
アイテムごとの解説をする前に、現代のラッパーがするファッションの特徴を3点にしぼって解説させてください。
派手で個性的なスタイル
ヒップホップというジャンルは「自分の成功を周りに見せていく」ことを重視する文化であるため、ラッパーのファッションは派手で個性的なスタイルが多いです。
フレックス(見せつける)、ボーリン(羽振りよく振るまう)など“成功をアピールする”系のスラングが多いですよね。
派手なプリントや柄物、ダメージ加工が入ったアイテムなど、人の目を引くファッションはラッパーならでは。
“ブリンブリン”と呼ばれる豪華なジュエリーやアクセサリーを身につけるのも、ヒップホップファッションの大きな特徴ですよね。
上下ダボダボは過去のもの
「ラッパーといえば上下ともダボダボのオーバーサイズの服」なんてイメージは過去のものです。
現代のラッパーは細めのパンツやジャストサイズのトップスも普通に着ます。
今は「ヒップホップだから、ラッパーだから」とかではなく、それぞれの好みや自分に似合うもの、その時のコーディネイトによってアイテムのサイズを選んでいる感じですね。
とはいえヒップホップファッションの核となるのは、いつの時代も“ストリート系のファッション”です。
それゆえ他ジャンルのアーティストに比べると、やっぱりサイズ感は大きめですね。
主流はストリート系だが……
今言ったように、ラッパーのファッションの主流は今でも“ストリート系”です。
ただ、“服のサイズ感”がそれぞれ自由になったように、“ファッションの系統”も多様になっていきました。
これはヒップホップの「他ジャンルの音楽とクロスオーバーしながら、音楽性をどんどん拡大させていく」という性質と深く結びついています。
ここ10年だけでも、「エモ・ラップ」や「ハイパーポップ」、「トラップ・メタル」など多くのサブジャンルが生まれてきました。
ヒップホップという音楽が他ジャンルの要素を取り込んだことで、ファッション面でも大きな影響が生まれたという事ですね。
昔のようにパッと見で「ラッパーなのか他ジャンルのミュージシャンなのか」の見分けがつきにくくなりました。
この現象がもたらしたのはファッションの「系統」だけでなく、「サイズ感」にも表れていると考えられます。
ロック系の音楽は“タイト目なサイズ感”を好む傾向がありますよね。
こういった流れによって、現代のヒップホップファッションは系統もサイズ感も自由なものとなりました。
ただくり返しになりますが、主流はあくまでもストリート系のファッションです。
前置きが長くなりましたが、ここからは具体的なアイテムを中心にラッパーのコーデをどんどん見ていきましょう!
トップス
パーカーを使ったコーデ
ヒップホップファッションのトップス(上半身に着る衣服)といえば、まずはなんと言ってもパーカー。
春秋には1枚で着て、冬にはインナーとしても使える便利なアイテムです。
パーカーには、頭からすっぽり被るプルオーバーパーカーと、フロント部分にジッパーがついているジップパーカーの2種類があります。
LEXのプルオーバーパーカー×バギーデニムパンツのコーデ。
バギーパンツ=バギーは「ぶかぶかの」という意味。股上が深く、ヒップから裾にかけて極端に太いシルエットをもつパンツのこと。
足元には極太のパンツに負けないボリュームのある“BALENCIAGA”の「10XL」を合わせています。
Tiji Jojoのジップパーカー×カーゴパンツのコーデ。
靴はやはり厚底のボリュームのあるタイプの物を合わせています。
丈が短めで身幅が大きいトップスが現在のトレンドです。
LEXやTiji Jojoが着ているパーカーのような形ですね。
2人とも今っぽい「短丈で身幅が大きいトップス×極太のパンツ」のコーデです。
¥ellow Bucksが着ているようなハーフジップのパーカーを使えば、コーデに良いアクセントが加わりますね。
帽子の上からパーカーのフードを被るのも、ラッパー定番の着こなしです。
ここからはパーカーのおすすめブランドを具体的にいくつか紹介していきます。

トレンドのヴィンテージ加工がされたパーカーを探すなら、“SOMEIT”がオススメです。

ヒップホップファッションの定番として、スケーターブランドも根強い人気を誇っています。
ラッパーの中にもスケーターは多く、スケートをする時に流していた音楽がヒップホップだったことからラップを始めた人もいます。
スケーターファッションといえば、パーカーは最重要アイテム。ゆえにスケーターブランドはパーカーの品揃えが豊富です。

スウェットシャツを使ったコーデ
“スウェットシャツ”もヒップホップファッションでよく着るトップスです。
日本だと、“トレーナー”という和製英語でも呼ばれるアイテムですね。

eydenはスウェットシャツに細めのダメージデニムを合わせて、足元は定番の白の「エアフォース1」というカジュアルなコーデ。
JP THE WAVYはウォッシュ加工がされたスウェットシャツにCHROME HEARTSの太めのデニムを合わせ、足元に「NIKE DUNK HI "N.E.R.D" Pharrell」を持ってくるという贅沢なコーデをしています。
MIYACHIは“HUF”のオーバーサイズのスウェットシャツに白のパンツを合わせた、カジュアルながら品のあるコーデをしています。
先ほどLFYTを紹介しましたが、スケーターブランドといえば“HUF”も欠かせません。

スウェットシャツと似たように使えるアイテムだと、軽量で通気性の高い“サーマルニット”も春や秋に重宝するアイテムですね。
Barkのサーマルニットを使ったコーデです。
スウェットシャツの代わりにニットを使うと、より上品な印象になりますね。
ロンTを使ったコーデ
20℃くらいの温かい季節には、ロンT(長袖Tシャツ)1枚で出かける機会も多いですよね。
舟平/SAMのロンTを使ったシンプルな大人のストリートコーデ。
ロンTのおすすめブランドというと、先ほども紹介した“HUF”のロンTは根強い人気があります。

グランジ系のファッションが好きな方には、ロンTが人気の“A Good Bad Influence”がハマると思います。

ロンTと似たカテゴリーだと、ここ数年流行っているゲームシャツも1枚で着るのにぴったりなアイテムです。
ラッパーもサッカーをメインに色々なスポーツのゲームシャツをファッションに取り入れているのを見ますよね。

¥ellow BucksのロンTの上から“BALENCIAGA”のTシャツを重ね着したコーデ。
この違う丈のTシャツを重ね着するスタイルも、ここ数年またよく見かけるようになりましたね。
シャツを使ったコーデ
パーカーやスウェットシャツに比べると着用頻度は少ないですが、定番アイテムのシャツを着るラッパーも当然います。
シャツをよく着るのが若手ラッパーのKohjiya。
「POP YOURS 2024」のステージでは“AFB(エーエフビー)”のシャツに極太のリメイクデニムを着用。
シャツに散りばめられたスパンコールが反射して光るという、ステージで着るのにうってつけのシャツでした。
Lunv Loyalは“AMIRI(アミリ)”の20万以上するフード付きのシャツを着用。
AMIRI=2014年にLAで誕生。「ハイブランドが使用する高品質な素材と技術×ストリートのデザイン」という“ラグジュアリーストリート”というスタイルを代表ブランド。全世界の人気ラッパーが愛用。
若手ラッパーのCarzはシャツをふくめて全体を落ちついたトーンでまとめています。
上品なストリートスタイルといった感じですね。
KOWICHIはチェックのシャツをアウターのようにパーカーの上から羽織っています。
こういうシャツの使い方もストリートファッションでは定番ですね。
セットアップ
セットアップもヒップホップファッションの定番アイテム。
上下ジャージのセットアップや、スウェットのセットアップなんかをラッパーがよく着ていますよね。
セットアップを着ちゃえば上下のコーディネイトを考えなくてもいいという“楽さ”も、大きな魅力です。
T-Pablowがよく着ているこのジャージのセットアップは、“KAPITAL(キャピタル)”という日本を代表するブランドのアイテム。
YZERRはもっとも好きなブランドである“CELINE(セリーヌ)”のジャージのセットアップを何着も持っています。
LEXは自身が手がけるブランド“Inspiration(インスピレイション)”のスウェットのセットアップを着用。
そんな便利でかっこいいセットアップに初めて挑戦したい方におすすめのブランドが、“CAHLUMN(カウラム)”です。
CAHLUMNはここ数年ラッパーのZORNがもっとも着用しているブランドです。

「RADWIMPS - 大団円 feat.ZORN」のMVやパフォーマンスで着ていたブルーのセットアップや

↑こちらで着用しているセットアップがCAHLUMNのアイテムです。
ZORNは他にも多数のCAHLUMNのアイテムを、仕事でもプライベートでも着用しています。
セットアップで使えるアイテムを含め、上品でオシャレなストリートウェアをお手軽な価格で販売しているブランドなので、ぜひチェックしてみて下さい。


パンツ
ここまでトップスを中心に紹介してきたので、この項目ではパンツをメインに解説します。
ヒップホップ系ファッションのパンツといえば、まずは何といっても“デニム”です。
次いで多いのが、“カーゴパンツ”でしょうか。
あとは、“トラックパンツ”や“スウェットパンツ”などの動きやすいカジュアルなパンツを着用するラッパーも多いですね。
パンツの太さに関しては、かつては太いものが基本だった時代もありましたが、今は自分の好みで選べばいいという流れになっています。
JP THE WAVYのように太いものを履くラッパーもいれば
Yvng Patraのように細いものを好んで履くラッパーもいます。
どんな太さのパンツを履いても大丈夫なので、あなたに合ったものを選んでください。
デニムパンツ
ラッパーのパンツの基本はいつの時代もやっぱりデニムです。
ただ、ひと口にデニムと言っても色んなものがあります。
特にここ数年は、様々なダメージ加工がほどこされた物やリメイク系が流行っていて、ラッパーが履くデニムパンツも多種多様になりました。

IOが履いている昔からあるようなシンプルなデニムから
唾奇が履いているような複雑な加工がされているデニムまで、選択肢が大きく広がっています。
初心者におすすめの間違いないデニムパンツでいえば「LEVI'S(リーバイス)のSilverTab(シルバータブ)」あたりが定番ですが、この記事ではもっと今のヒップホップファッションっぽいデニムを紹介します。
もちろんSilverTabは万人にオススメできる名作なので、ベーシックで良いデニムが履きたい方にはいいと思います。

トレンドを押さえつつ手頃なデニムパンツといえば、すでに紹介したSUPPLIERはチェックして欲しいブランドです。

ここ2年ほど全国各地のセレクトショップで飛ぶように売れているのが、“Valabasas”のデニムパンツです。

カーゴパンツ
デニムパンツに次いでラッパーがよく履いているのが、カーゴパンツです。
サイドについたベローズポケット(カーゴポケット)が特徴的なパンツで、デザインは昔ながらのカジュアルなものからモードっぽいものまで、太さも極太のものから細くスッキリしたものまで色々な種類があります。

¥ellow Bucksがよく履いているようなミリタリー色の強いものもあれば

YZERRをはじめとしたBADHOPのメンバーがよく履いている“Rick Owens(リック・オウエンス)”のようなモードっぽいカーゴパンツもあります。
この長いドローコードが特徴的なRick Owensパンツは、BADHOPのメンバーなど人気ラッパーたちの定番アイテムです。
が、Rick Owensのパンツ類はどれも10万円以上します。
「こういうカーゴパンツを履いてみたいけど手が出ない」、そんな方にチェックしてもらいたいブランドが、“mnml(ミニマル)”です。

まとめ
この記事では2025年現在のヒップホップファッションのコーデについて解説しました。
ラッパーによって着こなしにも個性があって、そこらへんも流石アーティストという感じでしたね。
あなたも紹介したブランドなどを参考にしてぜひ挑戦してみてください。
他にもヒップホップファッションに関する様々な記事を出しているので、興味があるものからチェックしてもらえると嬉しいです!